気体の熱容量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 14:47 UTC 版)
物質1モル当たりの熱容量を、モル熱容量という。定積モル熱容量を記号 CV,m で、定圧モル熱容量を記号 Cp,m で表す。気体のモル熱容量は、気体の種類により異なる。例えば、ヘリウムの Cp,m は 20.8 J·K−1mol−1 であり、ブタンの Cp,m は室温で 100 J·K−1mol−1 程度である。より複雑な化合物の蒸気の Cp,m はさらに大きい。また、単原子気体などのいくつかの例外を除けば、モル熱容量は温度により変化する。例えば二酸化炭素の Cp,m は100℃で 40.5 J·K−1mol−1 であり、0℃での値 36.4 J·K−1mol−1 から10%くらい変わる。 マイヤーの関係式 C p ,m = C V ,m + R {\displaystyle C_{p{\text{,m}}}=C_{V{\text{,m}}}+R} は、気体の定圧モル熱容量と定積モル熱容量の差 Cp,m − CV,m が 気体の種類には依らないこと 温度にも依らないこと を表している。気体の種類にも温度にも依らない定数 R は、理想気体の状態方程式に現れる、気体定数である。Cp,m が気体の種類や温度によって変わるにもかかわらず、 Cp,m − CV,m が定数になるのは、定圧過程で気体1モルのする仕事が気体の種類や温度に依らず、加熱前後の温度差だけで決まるからである。このことは、理想気体の状態方程式から導かれる。したがって、 pV = nRT が近似的に成り立つ気体では、マイヤーの関係式もまた近似的に成り立つ。理想気体では、マイヤーの関係式が厳密に成り立つ。
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