歩行と健康
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 23:03 UTC 版)
歩行は重病人や一部の障害者を除き問題なく実践できる行為であり、しかも現代人の多くが増えている病気や不健康状態を予防あるいは改善する効果がある。とくに動脈硬化に関連する病気や死亡に対する効果が期待されている。日本での研究では、40-79歳の27738人をプロスペクティブに13年間調査したところ、年齢や疾患などで調整した場合においても、1日に1時間以上歩く群は、1日1時間未満しか歩かない群と比べて長生きであった。40歳以上の男女4,840人を約10年間追跡調査した結果、1日8,000歩以上歩いた人は、1日4,000歩未満の人に比べて、すべての原因による死亡率が51%低いことがわかった。4年間続いた女性の健康研究の16,000人以上の高齢のアメリカ人女性(平均年齢72歳)の大規模な研究では、1日あたり4,400ステップを取る人は、1日あたり約2,700ステップを取る人と比較して死亡率が41%低いことが判明した。 1日7,500歩までは歩数を増やすことに関連して死亡率が低下し続けたが、それ以上の歩数では追加的な利点は見られなかった。また、記憶を司る脳の部分を増やすためにもウォーキングは必要であるし、食後に少し歩くと血糖値が下がる。 ウォーキングエキササイズでは通常の歩き方よりもいくらか速く歩く。つまりいわゆる速歩を行うものでありジョギングと比べて膝への負担が少ない。普段の運動が少なすぎる人々にとって運動不足の解消となり生活習慣病の予防に効果があるとされており、具体的には次のような疾患の予防に役立つ。 心血管疾患 動脈硬化 高血圧 糖尿病 脂質異常症 肥満 また不眠症や便秘の解消に効果があることもある。
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