権力の低下
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 05:43 UTC 版)
「ミヘイル・サアカシュヴィリ」の記事における「権力の低下」の解説
2012年10月1日、総選挙で統一国民運動は野党連合「グルジアの夢」に過半数を奪われ、親サアカシュヴィリ派政権は内閣総辞職に追い込まれた。大統領として「グルジアの夢」派のビジナ・イヴァニシヴィリ議員による内閣を承認する結果となり、表面的にはNATO交渉の継続決定など両者の友好と自身の中立性をアピールしたが、サアカシュヴィリの政治的影響力は明確に低下した。 イヴァニシヴィリ首相は就任するにあたって、サアカシュヴィリが私物化していた大統領官邸からの立ち退きを要請した。これに対してサアカシュヴィリは報道官を通じて「大統領官邸は大統領の私物だ」と反論した。これに対してイヴァニシヴィリ首相は自ら得た私財でなく、国民の税金で賄った「私邸」に住む事は「厳しい経済情勢下で行われる非倫理的行為である」として官舎への移住を提案した。 2012年10月23日、イヴァニシヴィリ政権が本格的に始動すると統一国民運動体制下での様々な不法行為についての政府調査委員会が設立され、ダヴィッド・ウスパシュヴィリ国会議長が委員長に着任した。イヴァニシヴィリ首相は統一国民運動が関与した様々な非合法行為(汚職、言論弾圧、拷問等)について真相を明らかにすると宣言した。11月22日に政府調査委員会は「場合によっては(統一国民運動の実質的指導者である)サアカシュヴィリ大統領の逮捕も有りえる」とコメントした。サアカシュヴィリの側近は大統領が逮捕に怯え、少なくとも大統領任期中は逮捕は出来ないにも関わらず周囲に「逮捕される」と繰り返すなど、再びノイローゼ状態に陥っていると証言した。 2013年4月12日、イヴァニシヴィリ首相は棚上げされていた南オセチア紛争の開戦経緯についても正式な調査を行う事を決定し、既に国防相による軍内調査が開始され、イヴァニシヴィリ政権は必要に応じてサアカシュヴィリ大統領を重要参考人として尋問すると表明した。
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