楽器の復活製作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 17:36 UTC 版)
こうして衰退してしまったこのアルモニカは、熟練したガラス吹き師であり音楽家であるゲアハルト・B・フィンケンバイナー(Gerhard B. Finkenbeiner)によって1984年に復興された。30年の実験の後、マサチューセッツ州のウォルサムで生産開始され、G.Finkenbeiner社は現在も、NASA等から受注した高純度なガラス製品の生産をする本業のかたわら、プライベートな余暇を捧げて副業的に、手作りにてこの楽器を少量だけ制作している貴重な工房として世界的に知られている。フィンケンバイナーの亡き後は、トーマス・ヘッション(Thomas Hession)が後継者として、家族でG.Finkenbeiner社を運営している。1台の制作に1年以上を要するほどガラスの制作加工は非常に難しく、低音の大きなガラスは、たった1枚で30~40万円もするほど制作に時間と手間が必要という。注文は音域を指定してから制作開始され、値段は音域の広さによって主に決まる。高音のみでの音域の狭い楽器は90万円ほどから、低音までの大型の楽器では1000万円近くにもなり、古い楽器はガラスの欠損があっても数千万円もし、博物館が所有する貴重な楽器資料となっているため一般に流通していない。 ちなみに、G.Finkenbeiner社の楽器では鉛中毒を警戒して鉛やその化合物類は添加されず、高純度の無機ガラスによって製作されている。(参考:二酸化ケイ素・石英・ガラス) アルモニカのひとつの欠点に音量の乏しさが認められたが、現代においては、必要に応じてマイクによる音量の増幅もなされ得るようになった。但し、クラシック音楽の一般的な演奏会などにおいては、やはりこの楽器にマイクが使われることはほとんどない。
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