楽器の改良
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 17:04 UTC 版)
オーケストラと共演するようになると、旧来からの三味線では高音が出せない、またオーケストラの金属的な音に絹糸を使う三味線の音色が負けて沈んでしまうというジレンマに陥った豊吉は、ある日小唄勝太郎のレコーディングで、三分割できる三味線の真ん中部分を抜いて演奏をしてみたところ、楽器が短くなったことにより楽に高音が出せるようになった。 そこで、三味線屋に特注し従来の三味線よりも棹の短い三味線を用いるようになった。その後も試行錯誤の末、度々の改良を重ね、最終的には普通の三味線(全長が約100cm)より約30cmも短く、老猫の皮を張った三味線を愛用していた。 伝統を重んじる三味線業界にあって当初は周囲からの批判も大いに受けたようであるが、本人は一つの改革として主張し、意にも介さなかった。 こうして現在民謡・俗曲の分野で当然のように使われている『短棹三味線』は豊吉によって普及した。
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