楽器の改良と分類呼称の「ねじれ」の発生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 07:59 UTC 版)
「ダイアトニック」の記事における「楽器の改良と分類呼称の「ねじれ」の発生」の解説
初期の蛇腹楽器は、全音階(ダイアトニック・スケール)のみを弾ける素朴で小さなタイプが多く、それらはバイソニック(押し引き異音式)のボタン鍵盤が多かった。そのため、蛇腹楽器の関係者はバイソニックの意味で「ダイアトニック」という語を使うようになった。一方、半音階(クロマティック・スケール)も網羅して弾ける蛇腹楽器は、初期の頃はおおむねユニソニック(押し引き同音式)だったため、蛇腹楽器の関係者はユニソニックの意味で「クロマティック」という語を使うようになった。 その後、蛇腹楽器の改良と多様化が進んだ。バイソニックの蛇腹楽器でも、半音のボタン鍵盤を追加して増やし、半音階も網羅できるタイプも現れた。しかし蛇腹楽器の世界では、長年の習慣をふまえ、クロマティック・スケールを弾ける蛇腹楽器でも、ボタン鍵盤がバイソニックなら、習慣的に「ダイアトニック」ないし「セミ・クロマティック」(準クロマティック式)と呼ぶ(このような呼称上の「ねじれ」は、西洋の楽器では珍しくない。例えばフルートは、現在は金属製の改良型が主流だが、分類上は今も「木管楽器」と呼ばれ、金管楽器とは呼ばれない。実際、改良前の昔のフルートは木製だった。蛇腹楽器における「ダイアトニック」と「クロマティック」という慣用的分類呼称のねじれも、これと似ている)。
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