極性の定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/17 01:50 UTC 版)
電気化学(電気分解)やダイオード(真空管(二極管)、半導体素子)では、外部回路から電流が流入する(外部回路に電子が流出する)電極をアノード(陽極、Anode)と呼び、外部回路に電流が流出する(外部回路から電子が流入する)電極をカソード(陰極、Cathode)と呼ぶ。 電気化学(電気分解、電池)では、電極から電解質に正電荷が移動する電極(電解質から電子が流入する電極)がアノードで、酸化反応が起きる。電解質から電極に向って正電荷が移動する電極(電解質に向って電子が放出される電極)がカソードで、還元反応が起きる。(カソードは「かんげん(還元)」と覚える) (溶液から負電荷(アニオン)が集まる方がアノードで、正電荷(カチオン)が集まる方がカソードである。) アノード、カソードの語はファラデーにより命名され、ギリシャ語で上り口を意味する'anodos'と下り口を意味する'cathodos'に由来する。 一方、電位により極性を定義する場合は、電位が高い方を正極(せいきょく)、低い方を負極(ふきょく)と呼ぶ。 正極/負極とアノード/カソードは、電池と電気分解では対応が逆になる。 電気分解の場合(二次電池の充電の場合)正極 = アノード、負極 = カソード 電池の場合(二次電池の放電の場合)正極 = カソード、負極 = アノード となる。これは、電気分解の時には正極へ電流が流れ込み、電池(の放電)では正極から電流が流れ出すことに対応する。例えば、二次電池である鉛蓄電池のPbO2極は、充電時も放電時も正極であるが、充電時は電流が流れ込むアノードで酸化され、放電時は電流が流れ出すカソードで還元される。 陽極、陰極の用語は、電流の方向(酸化・還元の方向)による(アノード、カソードの直訳)とする流儀と、電位の高低による流儀があり、混乱している。これに対して、正極(せいきょく、positive electrode)、負極(ふきょく、negative electrode)の用語は、電位の高い/低いの区別として定着している。高校化学では、電池の場合「正極・負極」、電気分解の場合「陽極・陰極」と呼んでいる。
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