村当局の対応
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当時の上小阿仁村長だった小林宏晨は、「医師を攻撃する『不心得者』の村民は5・6人に過ぎないことを確認している」とした上で、「このような状態が続く限り、当局がいかに努力しても、わが村は医師に倦厭され、しまいには無医村になることも大いに考えられます」と述べた。 医師Cが辞意を示した後に、村当局は急きょ改善策を申し入れるがいったん固辞される。また同村の広報誌『広報かみこあに』2010年(平成22年)3月号では、重要事項として「有能で献身的な医者を安定的に確保すること」を挙げた。Cは一度は辞意を撤回し、上小阿仁村の無医村化は回避されたが、最終的に退職願は受理された。しかし村民の医師に対する接し方および村当局の対応は改善することもなく、2012年(平成24年)5月には医師Dも辞意を表明している。医師Bは村の広報誌にて「村執行部の医師に対する見方、接し方、処遇の仕方の中に医師の頑張る意欲をなくさせるものがあった」「次の医師が見つかっても、その人も同じような挫折をすることになりかねない」とのコメントを残している。 学術的報告 奈良県立医科大学健康政策医学講座(研究代表者:加藤礼識)による現地調査研究内容が2014年日本衛生学会、2016年日本公衆衛生学会、2016年日本臨床リスクマネジメント学会、2017年日本衛生学会で発表されている。 この研究は公益財団法人俱進会の2013年度研究助成金によって実施され、3度上小阿仁村を訪問し、行政関係者、保健所長等に聞き取り調査を行い、報告書をまとめている。報告書では診療所へ勤務していた医師への聞き取り調査も行ったとしているが、退職の理由や在任中の状況については他の資料の引用も記載されており、記載事項のうちどの部分が実際に医師自身への聞き取りによって確認されたのかについての記載がまったくなく、実際にどの医師にどの程度の聞き取りを行ったかは不明である。
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