有限長シーケンス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/19 07:00 UTC 版)
「離散時間フーリエ変換」の記事における「有限長シーケンス」の解説
DTFTの数値的評価では、有限長のシーケンスが明らかに必要とされる。実際、長いシーケンスは矩形窓関数で修正され、次のようになる。 X ( ω ) = ∑ n = 0 L − 1 x [ n ] e − i ω n {\displaystyle X(\omega )=\sum _{n=0}^{L-1}x[n]\,e^{-i\omega n}\,} , ここで L {\displaystyle L\,} は修正されたシーケンス長である。 これは、修正前のシーケンスのスペクトルの便利な近似として使われる。これによって解像度が悪くなるが、L を増やすことで改善される。 X ( ω ) {\displaystyle X(\omega )} を (2π) の一周期上に一様に分布する任意の ( N ) {\displaystyle (N)} 個の周波数で評価するのが一般的である。 ω k = 2 π N k {\displaystyle \omega _{k}={\frac {2\pi }{N}}k\,} , ここで k = 0 , 1 , … , N − 1 {\displaystyle k=0,1,\dots ,N-1\,} これにより、次が得られる。 X [ k ] = X ( ω k ) = ∑ n = 0 L − 1 x [ n ] e − i 2 π k N n {\displaystyle X[k]=X(\omega _{k})=\sum _{n=0}^{L-1}x[n]\,e^{-i2\pi {\frac {k}{N}}n}} N ≥ L {\displaystyle N\geq L\,} であるとき、次のようにも表せる。 X [ k ] = ∑ n = 0 N − 1 x [ n ] e − i 2 π k N n {\displaystyle X[k]=\sum _{n=0}^{N-1}x[n]\,e^{-i2\pi {\frac {k}{N}}n}} , 何故なら n ≥ L {\displaystyle n\geq L\,} について x [ n ] = 0 {\displaystyle x[n]=0\,} と定義するため。 このように変形すると、 X [ k ] {\displaystyle X[k]\,} のシーケンスは離散フーリエ変換(DFT)となる。 N {\displaystyle N} はDTFTを標本化する際の解像度と定義され、 L {\displaystyle L} はDTFT自体の固有解像度である。したがって、通常これらはほぼ同じ値である。 N > L {\displaystyle N>L} を選択するのが一般的だが、値がゼロの項を総和に含める理由は、DFTを計算する高速フーリエ変換アルゴリズムを利用できるためである。そのことを強調する場合、「ゼロパディングDFT」あるいは「内挿DFT」と呼ぶ。しかし、値がゼロの項を使わずに単純に計算しても全く同じDFTが得られる。 N < L {\displaystyle N
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