最大寿命との関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 09:48 UTC 版)
「ヘイフリック限界」の記事における「最大寿命との関連」の解説
ヒトの分裂限界(PDL:population doubling level)(=ヘイフリック限界)は50で最大寿命は約120年、ウサギではPDL20で最大寿命は約10年、ラットではPDL15で最大寿命は約3年で、哺乳類ではPDLと最大寿命とが直線的な関係がみられる。同じ脊椎動物でも魚類など他の分類群では、テロメア長が細胞の分裂限界に関わってはいるが、直線的な関係についてはその限りでない。例えば、メダカではテロメラーゼの活性が、成長過程にある若齢では極めて高く体細胞分裂後もテロメアを延伸し長さを維持しているが、成長期が終わりほとんど体重増加が認められなくなる1歳齢以降は、加齢に従い活性が低下し維持されるテロメア長も徐々に短くなる。ある齢以降に体細胞のテロメラーゼ活性が低下することがテロメア短縮を引き起こし、その結果、老化し死に至るのではないか思われる。つまり、メダカではテロメラーゼ活性を制御することでテロメアの長さを制御し、体細胞=個体を老化させ老衰死に導いているのであろう。老化は遺伝子的に積極的なプロセスであり、テロメア長は老化の原因ではなく制御因子の一つだということである。
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