時代小説のアイコン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/23 09:54 UTC 版)
「アルスターコート」の記事における「時代小説のアイコン」の解説
チャールズ・ディケンズやアーサー・コナン・ドイルなどヴィクトリア朝の作家は時代小説 (en) にこのコートをしばしば描いた。ドイルはアルスターコートを「シャーロック・ホームズ」シリーズに使い、これがヴィクトリア朝後期の時代小説のアイコン(小道具)の前例となって次のように定着していく。 ホームズものの短編小説『青い紅玉』を例に取ると、作中でワトソンは次のように語る。 It was a bitter night, so we drew on our ulsters and wrapped cravats about our throats. (寒さがしみる夜で皆アルスターの前をかき合わせ、首巻をしっかりと巻き付けた。) 悪名高い切り裂きジャックを小説The Lodgerに登場させたマリー・べロック・ラウンズは、ホワイトチャペルの街をうろつくストーカーにアルスターコートを着せ、20世紀フォックスは映画化に際してレアード・クリーガー(英語版)演じる悪役の衣装にこのコートを採用、また殺人を犯した証拠のアルスターコートを燃やすシーンを織り込んでいる。 ジェイムズ・ジョイスは小説『ダブリン市民』のエピソード「グレース」でバーのシーンを書き、登場人物のパワー氏がアルスターコート姿でカウンターの端から「酔ったカーナン氏に近づく」と一言のみ記した。 モンゴメリの『赤毛のアン』初版の友人ダイアナがクリスマスに装うアルスターコートは「blood-red ulster(血のように真っ赤な)」と表現された。 あるいはまたポスト・コロニアリズムの作家にとって、アルスターコートを文化のアイコンとして重視するあまり、文脈を読み違える危険も指摘されている。
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