早期検査薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/27 15:37 UTC 版)
hCGへの反応下限値が25mIU/mLに設定されており、順調に増加していけば、着床(=排卵の約9±2日後)から3日程度でこの水準に達する。よって、排卵の12±2日後あたりから陽性反応が検出できるようになると考えられるが、個人差を考慮し、遅い方に合わせて以下の時期を使用の目安としている。 推定排卵日もしくは性交日の2週間後以降基礎体温などからその周期の排卵日と思われる日が特定できるなら、そこから14日後以降に検査する。 とある性交での妊娠を想定して検査する場合は、もしその性交で妊娠するなら(たとえ普段の周期から予想される排卵時期とは大幅に異なっていたとしても)実際の排卵もその付近で行われていたということになるので、便宜的にとりあえず性交日≒排卵日と仮定して、その14日後以降に検査する。この方法では、当該性交日より後にも性交渉を持っている場合は、そちらの性交での妊娠はまだ判明しない可能性がある。 生理予定日(=排卵の約2週間後)以降正確な排卵日推定ができる方法をとっておらず、かつ、周期中の性交回数も多くてどれで妊娠しているか不明な場合は、ひとまず普段の周期どおりの時期に排卵が行われたものと見なして、生理予定日以降に検査する。正常な月経が行われている女性なら、個々人の生理周期の長さにかかわらず排卵から生理までの期間は14±2日で一定だからである。ただし、この方法はあくまで普段どおりに排卵が行われたことを前提にしたものなので、実際の排卵日が予想より遅ければ正しい結果が出ない可能性がある。 早期検査は、「可能であればなるべく早く陽性を拾い上げて妊娠を知る」ことを目的としているため、受精卵の発育が遅れていてhCGの増加速度が鈍いようなケースでは、まだ検査時期が早く、妊娠していても陰性と出ることもある。また、性交日を基準にした検査では、体内で何日か生き延びていた精子が数日後の排卵で受精したような場合、そのぶん着床の成立やhCGの分泌も後日へずれ込むことになる。したがって、早期検査薬を「陰性によって早く妊娠を否定する」目的で使うべきではない。早期検査で陰性であり、そのまま生理も来なかった場合は、通常の時期に再検査するのが望ましい。
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