日本の田麩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/25 04:25 UTC 版)
日本の田麩は魚肉を使うことが多い。三枚におろした魚をゆで、骨や皮を取り除いた後、圧搾して水気をしぼってから焙炉にかけてもみくだき、擂り鉢で軽くすりほぐす。その後、鍋に移して、酒・みりん・砂糖・塩で調味し煎りあげる。鯛などの白身魚を使用したものに食紅を加えて薄紅色に色付けすることもある。薄紅色のものは、その色から「桜でんぶ」と呼ばれる。日本では魚肉田麩をご飯に振りかけるほか、ちらし寿司や巻き寿司の具とする。大日本帝国陸軍が開発・採用した、ポン菓子を使用した携帯糧食である「圧搾口糧」には副食品として、調味した削り節をブロック状に押し固めた「圧搾田麩」が添えられていた。 伝説によれば、京のあたりの貞婦が、病気で食の進まない夫のために、産土神の諭しにしたがって、土佐節を粉にして、酒と醤油とで味をととのえ供したところ、夫の食欲は進んで病気もなおった。そして自分でも試み、人にもわけたのが初めであるという。もしこれが事実となんらかの関係があるとすれば、おそらく田麩のおこりはカツオのふりかけであろうという。
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