日本の学校における私語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/21 16:43 UTC 版)
授業の妨げとなる私語は小学校から大学、専門学校に至るまで関心の高い教育問題となっており、1990年代以後に続出した学級崩壊や授業崩壊とマスコミが呼んだ、学級経営が困難な状況の要素のひとつとされる。私語によって他の生徒の授業を妨害することは、単に迷惑なだけでなく人権問題ともなり得る。 授業中に生徒同士で交わされる私語には授業内容に関係のある私語と無関係な私語があり、授業に関係のある話題の場合は規範意識が低下する。私語の大きさは、授業の分かりやすさや関心の持ち方とは必ずしも相関関係になく、テーマが身近なほど音量の大きい私語が増える傾向がある。また、多くの生徒は私語はしないほうが望ましい承知しつつ、教師の私語への寛容度を見定めた上で私語を行っている。 席次の決まっていない大学などの授業では、教壇に近いほど私語は少なく、後ろの席ほど友人同士が固まり私語が増える傾向がある。喜多村和之は、アメリカの大学では日本の大学のように私語をする学生が少ないことを指摘し、その理由として、私語は講義から利益を得ようとする仲間の妨害となるという意識が共有されている為、学生間で私語が生じないように牽制しあうという。日本の学生にも私語規範は認識されているが、学生が自主的に注意しあうという姿はまず見られない。日本の大学生に私語が横行する原因として、私語に加わること期待されているというインフォーマルな規範意識が、私語規範を上回ることが指摘されている。
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