新造船事業の休止
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 01:09 UTC 版)
佐世保重工業の新造船事業は、国内外の新鋭造船所に比較してコスト競争力が大きく劣り、その改善が急務であった。2020年(令和2年)4月からは、親会社の名村造船所の支援により、新造船の船体平行部ブロックの製作を、コスト競争力の高い同社伊万里事業所へ委託することとするなど、同事業所との運営一体化を進め、競争力の強化を図っていた。 しかしながら、2010年代以降の中国・韓国系造船企業の攻勢激化、世界的な船舶過剰等に加え、2020年には、新型コロナウィルス感染症まん延による世界的な経済活動の低迷から、新造船発注量・船価とも大幅に下落するなど事業環境が急速に悪化し、当社の新造船事業のコスト競争力を短期的に改善させることは困難な状況に至った。このため佐世保重工業は、2021年(令和3年)2月12日に、新造船事業を2022年1月で休止することを発表した。 当社は、以後は海上自衛隊・在日米海軍の艦艇、LNG運搬船等の特殊船の修繕事業や、船舶用機械・部品等の機械工業品の製造事業を経営の中心とするとしている。また、親会社の名村造船所は、新造船事業休止後の佐世保重工業について、今後グループで建造するLNG燃料船等の新燃料適合船の艤装等に補完的に活用していく考えを示した。 2022年(令和4年)1月12日、休止前最後の新造船が竣工し、船主に引き渡された。
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