新フラン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 00:52 UTC 版)
1960年1月、フランは1/100のデノミネーションを実施。それまでの1フラン・2フラン硬貨はサンチームとして、100フランが「新フラン」(nouveau franc) として使われることになった。この頭文字「NF」は、その後一部の紙幣に使われている。インフレはなおも続いていたが、他の国に比べて進行のペースは緩やかになった。その後、1968年にもう1回切り下げが行なわれたのを最後に、ブレトン・ウッズ協定は変動相場制へ移行した。しかしながら、1999年1月1日にユーロが導入された時のフランは、1960年と比べて1/8未満の価値にまで落ち込んでいた。 旧フランは徐々に置き換えられ、利用ができなくなっていった。フランがユーロへ移行した時点では、古いフラン貨幣はいずれも無効となっていた。一方、新フランへの切り替え後、フランスの人々の間では、大きな金額のことを「古いフラン」(anciens francs) と呼びならわす習慣が残った。例えば宝くじの広告では、旧フランでの数字と同じとなるサンチームで当選金額が表記されるということがしばしばあった。この習慣は2002年にユーロが完全にフラン貨幣に取って代わるまで続いていた。また作家のピーター・メイルは、プロヴァンス地方では旧フランの額で金銭を数える人たちが1990年代まで残っていたと報告している。
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