断片化と再構築
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 02:17 UTC 版)
「IPフラグメンテーション」も参照 プロトコルが転送する単位の最大長を、MTU(最大転送単位、Max Transfer Unit)と呼ぶ。IPパケットの最大長は65535オクテットであるが、IPパケットを伝送すべきデータリンク層のMTUは、IPの最大長と比べると短い場合が多く、例えば通常のイーサネットのMTUは1500オクテットである。 断片化(英語:Fragmentation、フラグメント化、フラグメンテーションとも呼ばれる)は、IPパケットがパケットを送出する伝送路のMTUよりも長い場合に発生する。断片化を行う装置はIPパケットを伝送路のMTUに収まる長さに分割し、分割されたパケットのIPヘッダは、全長が分割された長さになり、断片位置には分割された位置が記され、最後のパケット以外は継続フラグが設定される。識別子は分割された全てのパケットに分割前のパケットのそれが写される。 断片化したパケットの再構築(英語:Reassembly、再構成とも呼ばれる)は、パケットの宛先である装置が行う。ある識別子を持つパケットの断片を受信した宛先は、さらに同じ識別子を持つパケットの断片を受信し、それぞれの断片位置から断片化前のパケットを再構築する。 IPヘッダのフラグの禁止ビットを設定すれば、パケットの断片化を禁止できる。この場合は断片化の代わりにICMPの宛先到達不可通知がパケットの送信元に返される。送信元はこれを利用して宛先に至る経路の最小MTUを調査することができ、そのような動作は経路MTU探索と呼ばれる。 断片化は帯域やルータの負荷に無駄(オーバーヘッド)を生じ、スループットの低下となるため好まれない。経路MTU探索を行いMTUを調整するとよい。なお、IPv6では経路上のルータで断片化・再構築を行うことはなく、送信ホストのみで行われる。
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