断片『アザトース』
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「未知なるカダスを夢に求めて」の記事における「断片『アザトース』」の解説
1922年6月に執筆が始まったが中断している。1938年に同人誌『リーヴズ』の第2号に掲載された。約480語からなり、小説の出だし部分しか書かれていない。ラヴクラフトが友人フランク・ベルナップ・ロングに宛てた手紙からは、ダンセイニのような物語、中世のアラビアンナイトのような要素を持ち、6歳以下の誠実な幼稚さで、ベックフォードの『ヴァテック』のような長編小説にするはずだったといわれる。 I shall defer to no modern critical canon, but shall frankly slip back through the centuries and become a myth-maker with that childish sincerity which no one but the earlier Dunsany has tried to achieve nowadays. I shall go out of the world when I write, with a mind centred not in literary usage, but in the dreams I dreamed when I was six year old or less--the dreams which followed my first knowledge of Sinbad, of Agib, of Baba-Abdallah, and of Sidi-Nonman.アザトース執筆に関するという文章、1922年6月9日付け、フランク・ベルナップ・ロングへの手紙 本作と同じく知識が自然の美を破壊した現代社会に愛想を尽かし、子供じみた希望を求めて夢の世界に主人公が旅立つ、という所で終わっている。タイトルがクトゥルフ神話でも重要な位置づけにあるアザトースと同じであるだけに意味深なものになっている。
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