斬馬刀との混同
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 12:13 UTC 版)
大太刀を指して「斬馬刀(ざんばとう)」と呼称されることがある。しかし、本来の「斬馬刀(剣)」と呼ばれていた、中国大陸で用いられていた武器(後述)と日本の大太刀は、まったくの別物である。 このような混同の原因は、現代の漫画などの創作物が発端だといわれ、1973年から1974年にかけて連載されていた永井豪作の漫画『バイオレンスジャック』において、登場人物のスラムキングの持つ大太刀が「斬馬刀」と呼称されている例が存在する。 また、1990年代に描かれた和月伸宏作の漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場人物の相楽左之助が使用した武器も「斬馬刀」という呼称が用いられ、日本の室町時代に存在した武器という解説がなされた。この「斬馬刀」は巨大な両刃剣のような武器として描かれているが、日本の歴史上、このような「斬馬刀」なる武器の存在を示す文献は確認されていない。後に描かれた、『るろうに剣心 完全版』第5巻における企画ページである「剣心再筆」では、斬馬刀は日本刀形状のものとして再設定されており、添文では 2m強の大太刀(斬馬刀)。柄尻に紅白の房、一対 と書かれている。この「大太刀(斬馬刀)」はイラストでは中巻野太刀のように鍔元から物打ちにかけての部分に糸巻きが施されたデザインになっており、 より多彩に取り回せるよう、鍔元に長ハバキを付け、その上に柄巻きを施すように細工済み との一文が添えられている。 この他にも「斬馬刀」もしくは「斬馬剣」という名称の武器が登場する創作作品はいくつかあるが、いずれも大太刀や中国における「斬馬刀(剣)」とは異なる、創作上のデザインである。
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