文書の由来
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 08:22 UTC 版)
議定書は先行する評論や小説を元にしており、出典の多くが有名な大衆小説にあった。 まず、この文書はモーリス・ジョリー(フランス語版)著『マキャベリとモンテスキューの地獄での対話(フランス語版)』(仏語、1864年)との表現上の類似性が指摘されている。地獄対話はマキャベリの名を借りてナポレオン3世の非民主的政策と世界征服への欲望をあてこすったものである。シオン賢者の議定書は地獄対話の内容のマキャベリ(ナポレオン3世)の部分をユダヤ人に置き換え、大量の加筆を行ったものとされる。 また、議定書のある一章は、ドイツの小説家ヘルマン・ゲートシュ(ゲドシェ)(Hermann Goedsche,1815 – 1878)が1868年に出版した幻想小説「ビアリッツ Biarritz」を元にしている。ゲートシュの小説は、当時反ユダヤ主義記事の掲載を続けていたプロテスタントの『十字架新聞』に掲載された。この小説は1872年にロシア語に翻訳された。現在、大英博物館に最古のものとしてロシア語版のものが残っている。 また、1881年7月にフランスのカトリックの機関誌『同時代人』は、ユダヤ人は太古の昔より地上の支配権を持つことを目的にしていると報じたが、その典拠はゲートシュのこの小説であった。
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