文化相対的な固定観念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 01:59 UTC 版)
複数の文化において、それらが相互に異なるとき、特定の文化のなかでは自明的に妥当とされる考え方や観念が、別の文化に所属する人には、特定文化に固有な固定観念に見えることがある。また、実際に、別の文化を持つ社会に赴き、その社会のなかでは当然とされている考え方や価値観やものごとの把握に対し、反証を提示して異議を述べても、容易に相手の考え方や価値観が変化しないことがある。 このような「文化相対的視点での固定観念」は、情報の流通が世界的に広く行われておらず、様々な知識や文化や社会の多様性が知られていなかった時代や地域においては成立していた。しかし、21世紀に至り、他文化や他社会に関する知識や情報が、広く地球上の至る処について知られるようになった状況では適切なものではない。無論、自分の属する文化とは異なる社会や文化に関して無知であり、知ろうとする努力もしない人の場合は、なおこのような、先入観に基づく固定観念を持ち続ける状況はある。 20世紀の半ば、あるいは後半においてさえも、社会科や歴史の教科書で日本について説明して、ちょんまげを結った武士や町人の絵などを掲載し、あたかもそれが現代の日本の風俗であるかのような紹介をしていた国の例があるが、さすがに21世紀となって、そのようなアナクロニズムな文化的な誤解、あるいは固定観念は消えている。
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