故障時の症状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/22 02:56 UTC 版)
ファンクラッチは他の補機と同等以上の信頼性を有するが、時に故障する場合もある。一般的な症状はファンクラッチが駆動力をファンに伝達できなくなることに起因するアイドリングや渋滞時のオーバーヒートである。カーエアコンのコンデンサーは通常ラジエーターの前方に置かれるため、故障したファンクラッチはエアコンシステムの効率低下にも繋がる。また、ファンクラッチのもう一つの故障は、駆動力を断続できなくなることにより冷却ファンが必要ない場合でも常に回転し続けることで、エンジンの出力低下を招くことである。この種の故障は燃費の悪化にも繋がる。 寒冷な気候でのファンクラッチの故障(特に駆動力を断続できずに常時冷却風を取り込み続けた場合)が引き起こす、別の潜在的な兆候は、カーヒーターが十分に暖まらずに生ぬるい風しか出なくなることである。これはひいては、オーバークールを引き起こす事にも繋がる。 多くのファンクラッチはビスカスカップリングと同様にシリコーンオイルが内部に充填されているため、シリコーンオイルが外部に漏れた場合はファンクラッチが規定温度でも接続出来なくなる症状が発生し、逆に何らかの理由でシリコーンオイルが変成したり、内部のクラッチプレートが物理的に破損する等の要因で常時繋がったままとなる症状が発生する。後者の場合にはエンジンが冷間の状態でクランクシャフトを固定し、冷却ファンを手で回した際に全く空転しなかったり、正常品と比較して空転が異常に渋くなっているなどの症状から判定が可能である。いずれの場合でもファンクラッチの部品交換が必要となるが、オイル漏れによる接続不良の場合にはシリコーンオイルを再充填することで再利用が可能な場合もある。 さらに別の症状としては、ファンクラッチのベアリングが故障することで、エンジンルーム(英語版)から異音が発生することである。
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