放送・通信分野の規格変化への追従と処理性能の両立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/08 22:49 UTC 版)
「プログラマブルロジックデバイス」の記事における「放送・通信分野の規格変化への追従と処理性能の両立」の解説
インターネットにおける急激な通信路容量の増加に伴い、従来のソフトウエアによるルーティングが限界に達した。高性能CPUの投入は装置の部品増と消費電力の問題、冷却など様々な問題があり非現実的であった。ASICで構成する時代も一時期あったが、処理すべきプロトコルが増えたり規格が変更になった等によって装置が陳腐化してしまう問題が生じた。そこで自由に回路構成が変更できるFPGAによってルーティングエンジンを形成する事によって、スループットを維持しつつ新しい規格にも対応できる設計が一般化した。 デジタル放送は新しいプラットフォームが形成される都度、伝送方式をはじめとしアプリケーションレイヤーにいたるまで、根こそぎ規格が変化した。2000年に放送を開始したBSデジタル放送にいたっては、予めCSデジタル放送や地上波デジタル放送という新規格への備えが必要であり、また受信機の仕様に応じて放送機器側の仕様を策定しなおすという泥縄状態であった。このため、放送用機器はFPGAをベースに作りこまれ変更のあった規格への対応が行われた。受信機の一部もロジック回路の一部をFPGAで作っておくことで、ソフトウエアアップデートだけで新規格に対応できる製品もあった。 Webサーバやアクセラレータにおいて、プログラマブルロジックデバイスを応用した製品がある。サーバにとって負荷の大きいCGI実行結果などをキャッシュしたり、フィルタリング処理を可変ハードウエアで実装したものである。これらの機器は従来機器と比べけた違いの単位時間あたりトランザクション数 (TPS) を誇る。またアクセラレータは特に負荷が高いSecure Sockets Layer (SSL) を高速化するのに用いられた。SSLは暗号化方式が増える可能性があるため、既存規格だけを実装した装置は陳腐化を免れないがロジック回路を変更可能にしておく事により、暗号化方式の追加に対応する事ができる。
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