携行方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 04:12 UTC 版)
通常の場合、背負うか従者に持たせて携行していた。鎌倉時代末期から戦国時代末にかけて描かれた数々の絵図では、腰に下げる(佩く)もの、腰に差すもの、背負うもの、従者に持たせるもの、諸々の大太刀の携行方法を見ることができる。 自らの手で持つ場合 自らの手で持って運ぶ。この場合はかなり長い大太刀を引き抜くことが可能である。また戦いの始まる前には鞘を捨てることもある。 従者に持たせる場合 従者が手に持ち運ぶ。大太刀を引き抜く際には従者に鞘を持たせて、馬に乗った武者が引き抜くか、または徒歩の武者が引き抜く。この場合かなり長い大太刀を引き抜くことが可能である。大太刀は身分が高い武士が扱う武器であるため従者に持たせるのが本来の所持方法である。 腰に携行する場合 左腰に大太刀を携行する流派もある。しかし腰に携行する場合は大太刀の長さのため引き抜くのには容易ではない。そのためにはかなりの熟練した技が必要である。 通常は左腰に携行する場合は太刀は刃を下にして携行するが、流派により刃を上に向けて左腰に携行する場合もある。 背負う場合 大太刀を背負う場合は架空の物語や漫画などのイラストでは右利きの大太刀使いは右肩から左腰に大太刀を背負っている。しかしこの背負い方では大太刀は抜けない。太刀や刀はまず鯉口を切らなければ抜けず、また右肩に鯉口があり右手で大太刀を抜くにはあまりにも大太刀が長いために引き抜く手の長さが足りない。よって通常は左肩から右腰に背負う場合が多い。 右利きの場合、大太刀を抜く際は左手で左肩から出ている鍔元を掴み、刃を上に向け、鯉口を相手の正面側に向ける。そして右手で柄を持って鯉口を切り、右手を前に伸ばしながら大太刀を抜く。 忍刀の携行方法は大太刀を背負う場合の携行方法に似ており、鯉口を左肩側に背負う。 日本刀の拵(外装)の場合、太刀には佩くために腰に結わえるための紐(佩緒(はきお)と呼ぶ)を結ぶための帯と金具(足革及び足金物)があり、打刀には腰に差した際に帯に結わえるための紐(下緒(さげお)とそれを結ぶための部品(栗形)があるが、大太刀の場合は従者もしくは自分が手に持って持ち運ぶことが多く、それらには足金物、栗形ともにないものが通例である。
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