控訴審判決まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 14:51 UTC 版)
「名古屋市中区栄スナックバー経営者殺害事件」の記事における「控訴審判決まで」の解説
名古屋高等裁判所における控訴審初公判を控え、新たに被告人Bの国選弁護人として就任した弁護士・太田寛は2003年7月、名古屋拘置所で被告人Bと面会した。 太田は有期懲役刑への減軽を狙い、被告人Bに対し「強盗殺人の事実関係は争わず、反省の態度を示そう」と提案した。 これは、第一審の被告人質問において被告人B自身が主張した「強盗殺人の意図はなかった」とする主張とは正反対のものではあったが、被告人Bも同意した。 被告人Bは控訴審公判直前、被害者の内縁の夫に謝罪の手紙を送ったが、第一審の法廷で「今でも考えることは妻のことばかり」「絶対に死刑にしてほしい」と訴えた夫は、その手紙をちり紙に使って捨てていた。 弁護人側は、被告人Bが獄中から牧師に送った「死んで償いたい」などと記された手紙を証拠提出し、また被害者の内縁の夫への手紙を「贖罪の心の証」と主張した上で、「被告人Bは犯行の計画性はなく、女性を静かにさせるために咄嗟に首を絞めた。逮捕後には贖罪の気持ちを深めており、有期懲役刑が相当である」と主張した。 一方で逆転死刑判決を目指した検察側は被害者遺族の死刑を望む思いを文書にまとめて対抗し、「被告人Bは1983年にも手口の似た殺人事件を起こして服役した前科があり、スナック入店時点で強盗殺人の犯意があった」として、第一審の無期懲役判決を破棄して死刑を適用するよう求めた。 控訴審では被告人Bが第一審から一転して強盗殺人の犯意を認めたために特段の争点はなく、2003年秋にわずか2回の公判で結審した。
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