採毛法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 09:30 UTC 版)
アンゴラウサギの採毛には、イギリスで行われていたハサミで刈り取る方法と、フランスで行われていた指でつまんで抜き取る方法の二通りがある。 刈り取りの方法は90日間隔で年4回、または75日間隔で年5回行われ、慣れれば一匹15分ほどで刈り取ることができた。 抜き取りの方法は年4回の換毛期、毛根が緩くなる時期を見計らって行い、ひっぱってみて抜ける毛から抜いてゆき、それを1週間くらい間隔を空けて数回に分けて繰り返す。 また、抜くのは長い毛のみで短い毛は残すというやり方で、力任せに全身の毛をむしり取る訳ではない。 刈り取りより長く質の良い兎毛が採れる利点がある一方、換毛期の見極めが難しく、さらに数回に分けて少しずつ抜いてゆくので時間がかかり効率が悪い。日本では昭和期に国立の種兎繋養牧場、長野種畜牧場で試験的に行われたが、刈り取りに比べて採毛時間が2倍かかるという結果となった。 日本での採毛は、最初に輸入したのがイギリス系のアンゴラウサギだったこともあり、一貫して刈り取りの方法で行われ、抜き取りの方法が広まることはなかった。 また、生き物の「毛を引抜く」、「毛をむしる」という行為に対して抵抗が強かったようで、大正末に採毛を目的としてアンゴラウサギを輸入した志保井雷吉も、1927年(昭和2年)に「仏国の如き抜取りの採毛法は動物愛護上人道に悖るの意味に於て絶対に禁止」と書き残している。
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