掛軸の取り扱い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 05:20 UTC 版)
掛軸を掛ける際には、先端がY字状あるいはU字状になっている矢筈あるいは掛物棹と呼ばれる道具を用いる。フックや釘などが高い位置にある場合には、高さを調節可能な自在掛を介して掛ける。 掛ける手順 巻緒(掛軸の外側に巻かれた紐)を解いて掛緒(掛軸の上部に有る紐)の右側に寄せる。 掛軸を左手に持ち、右手で矢筈を持つ。矢筈の金具を掛緒に掛ける。 掛緒を釘やフックに掛け、ゆっくりと広げ下げる。 下げ終わったところで左右のバランスを取る。風帯が有れば下に広げる。必要に応じて風鎮を軸先に掛ける。 外す手順 可能ならば2人で行うのがよい。1人で行う場合は、あらかじめ矢筈は壁に立てかけておく。両手で軸をゆっくりと巻き取る。きつく巻くと掛軸を痛める。 本紙を巻き込んだあたりで、左手で掛軸を順手に持ち、右手で矢筈を持ち、掛緒を釘などから外す。 掛軸を折らないよう注意しながら上部を下に降ろし、矢筈を外して置く。そして最後まで巻き取る。 風帯のある掛軸の場合、まず向かって左手側の風帯を右手側の風帯の下に曲げ込み、右手側の風帯を左手側の風帯の上に載せるように曲げる。風帯の先が余る場合には折り目に合わせて曲げる。 巻紙(幅5 - 7cmぐらい、長さ20 - 25cmぐらいの紙)がある場合にはそれの一端を掛軸に巻き込む形で巻き付ける。 掛軸を左手に、巻緒を右手に取り、巻緒を(掛軸を巻いてきたのと同じ向きに)左から右に3回巻く。仏画・名号等では巻緒が長めになっているので、それ以上巻く場合がある。巻緒の右端で輪を作って掛緒の右下からくぐらせ、左下に通す。 揉紙(包み紙)で包み、軸箱に納める。 掛軸は湿気や乾燥に弱いため、桐箱などに収めて温度変化の少ない場所に保管すると良い。桐箱には香木等を用いた防虫香を共に納める。ナフタレン等の防虫剤は軸先を痛める場合がある。
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