捕虫器にかかわる生物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 15:46 UTC 版)
「ウツボカズラ属」の記事における「捕虫器にかかわる生物」の解説
昆虫が主として袋に落ち込む。空を飛んでくる虫が主体であるが、地表性のものも入る場合がある。カタツムリなどが入る場合があり、変わったところではカエルが見つかった例もある。 袋の中の液体は消化液であるが、後に次第にその能力を減じ、袋の中での分解は細菌類等が行なうようである。また、この袋が虫を集めるのを利用しようとする虫もある。カの仲間に、幼虫がウツボカズラの袋の中の液体に生息する種がある。また、袋の口に潜んで虫を捕らえるカニグモ科のクモが知られている。 ツパイの一種であるヤマツパイ(Tupaia montana) と齧歯目ネズミ科クマネズミ属に属するタカネクマネズミ (Rattus baluensis)が Nepenthes rajah の袋の蓋から分泌される液体を舐め(ツパイは昼間、ネズミは夜間)、袋に落された排泄物を栄養にする様子が観察された。液体は食物である果物に似た芳香物質を含むが、この液体が栄養源として他の食物より優れているのかは更なる研究が必要であり、また、哺乳類は袋の犠牲者となることもあるため、この関係が相利共生と言えるのかどうかはいまだ不明である。なお、哺乳類による袋への排泄は、ヒナコウモリ科の一種 (Kerivoula hardwickii) でも観察されている。このコウモリはウツボカズラを昼間の止まり木として利用する。ツパイによる排泄は、2種のウツボカズラでも確認されている。今回の発見は、1種のウツボカズラが昼行性と夜行性の2種の哺乳類と関係を持っているという点で画期的な物である。
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