抗酸化・抗炎症作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 22:37 UTC 版)
「マイコスポリン様アミノ酸」の記事における「抗酸化・抗炎症作用」の解説
ポルフィラ-334とシノリンには抗酸化作用が認められ、Keap-1とNrf2の結合に対する直接的なアンタゴニストであると報告されている。Nrf2は、抗酸化剤応答配列AER (antioxidant responsive element)を介した転写レベルの発現調節に関与している。一方、Nrf2は、Keap1との結合により、核内移行が抑制されているが、酸化ストレスに晒されるとNrf2とKeap1は解離し、ストレス応答の転写システムが動き出す。In vitroでのKeap1-Nrf2の結合は、MAAsにより競合阻害を受けただけではなく、UVA照射により酸化ストレスを受けたヒト線維芽細胞において、MAAsはNrf2により制御されている抗酸化応答系を誘導させたことが報告されている。 緑藻から分離されたポルフィラ-334、シノリン及びマイコスポリングリシンについて、ヒト線維芽細胞HaCaT株を用いて検討した結果、マイコスポリングリシンが、炎症で典型的に亢進する遺伝子COX-2のmRNAの発現を用量依存的に有意に抑制していた。LPS刺激されたマクロファージRAW264.7をマイコスポリングリシンで前処理すると、抗炎症を調節する制御系であるiNOSとCOX-2の発現を有意に抑制した。さらに、スサビノリ由来のポルフィラ-334及びシノリンについて検討した結果、UVで光老化を誘導したマウスの背部皮膚において、炎症に関与するサイトカインであるNF-κB、IL-1β、IL-6及びIL-10のmRNA発現を有意に抑制していた。
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