技法の概略
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/03 04:05 UTC 版)
まず、原石(母岩石材)を輪切り状に大きく荒割りして打面を準備し、石核の素材をつくり出したのちに調整加工を加えて石核を作り、これを連続的に同一方向から加撃してほぼ同じ大きさの縦長剥片を打ちはがしていく。この剥片を刃器(石刃)とよび、二次加工を加えて多様な形態の石器を製作していく。二次加工としては刃潰し剥離がなされナイフ形石器を製作することが多かった。 北海道美利河(ピリカ)1遺跡出土の66点の石核・石刃・剥片は互いに接合し、石刃技法の過程を示す好例である。まず長径21センチの川原石の表皮を剥ぎ取り縦長のかたちに整えるのが第1段階、ついでその頂部を横から叩いて数枚の剥片を剥離して石核上部に水平に近い打面を作るのが第2段階、この打面の周縁を上から打撃し、目的の石刃を連続して剥離するのが第3段階である。石刃剥離が一段落終えた、打面と剥離作業面の角度を修正するために打面の再生を行鵜野が第4段階、以後第3・4段階を繰り返す。石核1点から石刃30~40点を製作したと考えられる。北海道・東北地方では母岩として黒曜石や頁岩を利用している。関東平野特に武蔵野台地では、チャートを初め在地の石材や黒曜石のような遠隔地からの石材を利用している。 それらの調整技術の差異、有無、打面転位のあり方などから、石刃技法は細かい分類が可能である。
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