戦時下での生産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 03:43 UTC 版)
「陸王 (オートバイ)」の記事における「戦時下での生産」の解説
技術的には旧型ハーレーの国産化モデルであり、やや時流遅れであったが、アメリカ製大型二輪車の主流レイアウトであるV型2気筒・チェーン駆動を引き継いでいたため、アメリカ車慣れした日本の保守的ユーザーには好まれた。日本陸軍はその最たるもので、軍用に開発されたサイドカー付き二輪車「九七式側車付自動二輪車」も多くの面で陸王がベースとされた。 しかし実際の陸王は、工作機械一切をアメリカ本国から導入していたにも関わらず、アメリカ本国製のハーレーを凌駕するものではなく、品質面では若干劣った。これは1937年(昭和12年)以降戦時体制(日中戦争)下にあり、良好な資材の入手が困難になりつつあった日本での厳しい制約ゆえである。軍用生産された「九七式」も、陸王製のモデルよりオート三輪「くろがね」のメーカーの日本内燃機が生産した同型車の方が高品質だった。陸王内燃機は「くろがね」と異なり、技術面で市場をリードするほどに卓越した企業ではなかった。 1941年(昭和16年)7月の仏印進駐を巡って日米間の関係が悪化し、同年12月に日米間で開戦したものの、生産は継続された。1945年(昭和20年)の終戦直前に生産が一旦停止されたものの、終戦直後から再び生産を復活させている。
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