恐竜類の進化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 15:36 UTC 版)
鳥類が恐竜の一群であることは、化石を初めとする生物学的な証拠から、大部分の科学者によって認められている。 鳥類は、系統分類(英語版)では恐竜の一系統である獣脚類に分類される。さらに獣脚類の中でも、ドロマエオサウルス科やオヴィラプトロサウルス類を含む手盗類の仲間であるとされる。 現代古生物学における定説では、鳥類(鳥翼類)は、ドロマエオサウルス類やトロオドン類を含むデイノニコサウルス類 (Deinonychosauria) に最も近縁で、これらは原鳥類 (Paraves) と呼ばれるグループを構成する。原鳥類の基部には、ドロマエオサウルス科のミクロラプトル(ミクロラプトル・グイ、Microraptor gui)など、滑空または飛行していた可能性があると形態から考えられている種が位置している。デイノニコサウルス類で最も基部のものは非常に小型であり、原鳥類の祖先が、樹上性(英語版)または滑空可能、あるいはその両方であった可能性を示唆している。2014年には、獣脚類恐竜から鳥類への進化の詳細に関する研究が報告されている。 現生の動物で鳥に最も近縁な動物はワニである。ワニ、鳥、(鳥以外の)恐竜はいずれも主竜類に分類される。 鳥類の起源をめぐっては多くの論争があった。恐竜よりも原始的な主竜類から進化したのではないか、鳥盤類恐竜の方が近縁なのではないか、といったものである。鳥盤類と現生鳥類は、骨盤の構造がよく似ているが、鳥類は竜盤類に属する獣脚類恐竜が起源であると考えられているので、鳥盤類と鳥類の類似性は無関係に進化したものとされる。事実、鳥類に似た骨盤の構造は、特異な獣脚類として知られるテリジノサウルス科(英語版)において3度獲得されている。 一部の少数派の研究者は、鳥類が恐竜から進化したのではなく、ロンギスクアマのような初期の爬虫類から進化したと主張しており、代表的な人物にノースカロライナ大学の鳥類古生物学者アラン・フェドゥーシアがいる。これを発展させて、「鳥類こそ恐竜の起源である」とする「恐竜鳥類起源説(BCF理論)」を唱える研究者もいたが、このような説にはほとんどの古生物学者が反対しており、反論が多い。またこの説の根拠とされ、俗に「プロトアビス」と称された、最初期の恐竜に似たラウィスクス類の生物も、鳥はおろかマニラプトル類との直接の関係も全くなかったことが判明している。
※この「恐竜類の進化」の解説は、「鳥類」の解説の一部です。
「恐竜類の進化」を含む「鳥類」の記事については、「鳥類」の概要を参照ください。
- 恐竜類の進化のページへのリンク