恐竜を食べた哺乳類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 11:54 UTC 版)
彼らが動物食性であったことを示す証拠として、2005年に報告された新しい完全な化石標本から、胃が位置していたと思われる左側の肋骨の下に全長14センチメートルほどのプシッタコサウルスの幼体の遺骸が確認されている。プシッタコサウルスの骨は胴体が二つに分断されていて、かつ四肢の骨が関節したままであった。これは、レペノマムスが獲物を食い千切った後に咀嚼せず丸呑みにしていたことを示唆する。 土屋健は、より大型のレペノマムス・ギガンティクスであれば、より成長した恐竜も獲物に出来たと推測している。デューク大学のアン・ウェイルは、現生の体重21.5キログラム以下の肉食哺乳類の行動に基づき、レペノマムス・ギガンティクスが同様の行動様式で恐竜を捕食したとすれば獲物は体重7キログラム未満であったと推定している。また、体重21.5キログラム以下の肉食哺乳類は食餌内容の季節変化が大きいため、恐竜やそもそも肉がどれほどの割合を占めていたかは不明であると述べている。 従来、中生代の哺乳類は恐竜に追いやられて夜行性の小型動物として活動していたという通説があった。この反証となりうる化石証拠はレペノマムスの報告以前から知られていた(コリコドン(英語版)やスコワルテリア(英語版)やブボデンス)が、保存部位が極めて断片的であったため正確な体格は不明なままであった。このため、恐竜と競合するような大型哺乳類の存在を示す明確な化石証拠は、既存の中生代哺乳類像を大きく塗り替えることになった。ウェイルは、こうした疑問を抱くことは時期尚早であるかもしれないとした上で、同時期の恐竜が小型であったために哺乳類が大型化した可能性に触れている。また、小型恐竜の大型化や鳥類への進化はレペノマムスに代表される肉食哺乳類の捕食圧に原因があったかもしれないと想像している。
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