性格形成における環境決定論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 08:52 UTC 版)
「環境決定論」の記事における「性格形成における環境決定論」の解説
イギリスのロバート・オウエンは、人間の性格は環境によって形成されると述べ、環境決定論と呼ばれている。ここで言う「環境」とは自然環境ではなく社会環境である。宿命論と言うこともできる。人間の欲求や行為は、先行する環境が形成した性格によって決まり、各人は行為に責任を持つこと、主体的に関わることができない。また、その環境は各人を思って性格を作り上げると主張する。このような思想に至ったのは、産業革命下の労働者の労働環境と生活環境が劣悪で、労働者は怠惰・不道徳・労働意欲がない、とオウエンが解釈したためである。また、ダーウィンは道徳・良心・罪の意識は人間の育った環境により形成され、自然淘汰の結果である、と考えた。 ジョン・スチュアート・ミルは環境が性格を形成することは認めるが、既に持っている内的経験から生成される願望によって性格を変えることができるとした。ミルは、環境決定論が「内的経験」の側面を見落としているとし、自分の性格を望ましい方向に変えることができると述べた。
※この「性格形成における環境決定論」の解説は、「環境決定論」の解説の一部です。
「性格形成における環境決定論」を含む「環境決定論」の記事については、「環境決定論」の概要を参照ください。
- 性格形成における環境決定論のページへのリンク