思考様式としての生活様式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 03:55 UTC 版)
「生活様式」の記事における「思考様式としての生活様式」の解説
生活様式を第一義に思考様式として理解するアプローチは、精神分析の領域にその起源をもつ。まずアルフレッド・アドラーによれば、人生の早い時期に発達する、個人の価値観や行動原理を導く枠組みが、生涯にわたってその人の行動に影響するような判断システムを規定することになる、という意味において、生活様式は人格の様式として理解されるものである。 のちに、とりわけミルトン・ロキーチやアーノルド・ミッチェル、リン・カールの研究において、価値観の解析(プロフィール)という形での生活様式の分析が発展した。その結果、相異なる人々の群がそこに対応するような、階層的に組織されたさまざまな価値観のスケールのモデルを見出すことが可能である、との仮説に至った。 つづいてダニエル・ヤンケロヴィッチとウィリアム・ウェルズが登場し、共時的・通時的両方の観点からの分析と、与えられた社会的文脈における社会文化的潮流(トレンド)に基づく解釈から、態度(attitudes)・興味(interests)・意見(opinions)を生活様式の基礎的な構成要素であるとみなす、いわゆるAIOアプローチに移行した。 最後に、さらなる研究によっていわゆるプロフィール・トレンドアプローチが出てきたが、その核心は、精神的変数と行動的変数の間の関係を分析することにある。これは、人々の様々な生活様式の普及と、様々な様態の思考・行動間の相互作用の出現の両方に対して、社会文化的潮流が影響力を持っていることを念頭に置いたものである。
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