式次第の順序
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 04:46 UTC 版)
庖士のする庖刀ノ儀よりも前に、別な役目の者がいくつか色々な弧儀をする。しかし、この庖刀ノ儀は式次第でも最後の方である。式次第の順序、つまり順番と言うのは役目の順位に関係がある。最後に真打ちが出てくる落語や、中入り後に関取が取り組む相撲と比べればわかりやすいかもしれない。大草の儀式は儀式だから、そして日本の伝統であるから、まずその儀式の場を浄めなければならない。浄め事の仕方には色々あり、お祓いの様な事をする事もあるし、基本的には塩を撒く。この塩を撒く弧儀を省いたら大草の場合、儀式にならない。伝統にもならない。塩を撒く事を、場浄め、盤浄め、破魔塩打ちと言う。お祓いは、神事なら幣打ち、仏事ならアカ打ちと言う。次に、式具のうち、盤を浄めて、その点検の様な事をするが、これを盤改めと言う。その盤改を経た盤の上に、神仏への供物の鳥とか魚、そして庖刀と箸など式具を全部配置する。それを盤飾りと言う。次に、庖刀の刃に汚れはないか、研ぎ具合、切れ具合を点検する。それを刃改めと言う。そこで、やっと主役の庖丁士が出てきて庖刀ノ儀をするのである。その間には、まだまだ奉禱だとか生華など、色々な弧儀が入ってくるので、分かり易く列記すると次の様になる。 式の場を浄める 式具のお祓い 香を炊く 盤を浄める 盤を点検する 蝋燭に火を点ける 式具を取り次ぐ 華を生ける 式次第を読み上げる 改めて奉禱をする 刃を改める 庖士を迎える 庖刀ノ儀 捌いたものを盤の上に並べる 出来上がった供物を捧げる 式具を片付ける ・・・と言う具合である。実際には、この全ては行われない事もある。その時の主旨によって省かれるものもあるのである。
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