式内社の社格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 18:32 UTC 版)
式内社は各種の種別がある。まず官幣社と国幣社の別である。官社とは、毎年2月の祈年祭に神祇官から幣帛を受ける神社のことで、各神社の祝部(ほうりべ、旧仮名遣:はふりべ)が神祇官に集まり幣帛を受け取っていた。その後延暦17年(798年)に、引き続き神祇官から幣帛を受ける官幣社と、国司から幣帛を受ける国幣社とに分けられた。式内社では、官幣社が573社 737座、国幣社が2288社 2395座である。国幣社が設けられたのは、遠方の神社では祝部の上京が困難なためと考えられるが、遠方でも重要な神社は官幣社となっている。 次が大社と小社の別である。この別はその神社の重要度や社勢によったと考えられる。官幣社・国幣社および大社・小社はすべての式内社について定められたので、式内社は以下の4つに分類されることとなる。 官幣大社 - 0198社 0304座 国幣大社 - 0155社 0188座 官幣小社 - 0375社 0433座 国幣小社 - 2133社 2207座 官幣大社は畿内に集中しているが、官幣小社は全て畿内に、国幣大社と国幣小社は全て畿外にある。なお、近代社格制度にも同じ名称の社格があるが、式内社の社格とは意味が異なる。また、近代社格制度の社格は延喜式における社格とは無関係で、制定時の重要度や社勢に応じて定められた。 式内社の中には、祈年祭以外の祭にも幣帛を受ける神社があり、社格とともに記された。 名神 - 名神祭(特に霊験灼かな名神を祀る臨時祭)が行われる神社。すべて大社、よってこれらを名神大社、略して名神大ともいう。 月次 - 月次祭(6月と12月の年2回行われる祭)に幣帛を受ける神社。 相嘗 - 相嘗祭(新嘗祭に先立ち新穀を供える祭)が行われる神社。 新嘗 - 新嘗祭(毎年11月に行われる1年の収穫を祝う祭)に幣帛を受ける神社。
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