弁済業務保証金
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/20 14:44 UTC 版)
新規開業者にとって1000万円の負担は大きい。そこで、保証協会の社員になり分担金を負担することで、一業者当たりの負担を減らすことができる。それが弁済業務保証金制度である。保証協会が宅建業者に代わって保証金を供託することで、営業保証金と同様の取り扱いを受けることができる。 保証協会の社員となる資格を有するのは宅建業者のみである。保証協会の社員になるには、弁済業務保証金分担金を加入日までに現金で納付しなければならない。納付金額は本店(主たる事務所)60万円、支店(その他の事務所)1か所につき30万円の合計額である。新たに事務所を開設したときは、その日から2週間以内に弁済業務保証金負担金を納付しなければならず、それを怠ると保証協会の社員たる地位を失い、場合によっては業務停止処分となる。納付を受けた保証協会は、1週間以内に納付相当額を供託しなければならない。 弁済業務保証金制度を利用すると、債権者は、営業保証金と同額まで供託所から還付を受けることができる。また、保証協会の社員となる前の取引についても還付を受けることができる。ただし、還付を受けようとする債権者は、保証協会の認証を受けなければならない。還付によって一時的には保証協会が減った供託金の肩代わりをするが、弁済業務保証金に不足を生じることになるので最終的には社員たる宅建業者が不足した保証金を納付することになる。弁済業務保証金に不足が生じたときは、社員は保証協会からの通知を受けた日から2週間以内に、還付相当額を保証協会に納付しなければならず、それを怠ると保証協会の社員たる地位を失う。 社員たる宅建業者が、脱退・廃業等により保証協会の社員でなくなった場合、および事務所の一部を廃止したために分担金の額が法定額を上回った場合は、宅建業者は弁済業務保証金を取戻すことができ、保証協会は充当金不足額等を控除した額を宅建業者に返還する。保証協会の社員でなくなった場合の取戻しでは公告が必要であるが、営業保証金の場合と異なり事務所の一部廃止の場合は公告は不要である。 なお、保証協会の社員である宅建業者が売買・賃貸の契約を締結しようとするときは、社員である旨、当該一般社団法人の名称、住所及び事務所の所在地並びに供託所及びその所在地を契約の相手方に対して説明しなければならない。
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