建築についての論争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 06:36 UTC 版)
「アクロポリス博物館」の記事における「建築についての論争」の解説
考古遺跡の上に博物館を建設することの是非については議論が巻き起こった。また、大きな現代建築がこの場所の風景にふさわしいかどうかという懸念もあった。 2007年、隣接する2つの歴史的建物を取り壊すという案についても議論が巻き起こった。これらの建物は博物館とアクロポリスの間にある。ベルナール・チュミは、それらの建物と4階建てほどの高さのある木々を除去した場合の博物館からの眺めを合成して画像で示した。これらの建物の1つは新古典主義建築、もう1つはアール・デコ様式の一例だったが、ギリシャ政府はこれらを歴史的建造物のリストから外した。取り壊し案への抗議はINTBAUやICOMOSといった国際機関からも寄せられた。 議論の中心に、取り壊し対象とされた新古典主義建築の家の所有者である作曲家ヴァンゲリスがいる。ギリシャ当局によれば、その建物はアクロポリスの南斜面にある古代のディオニューソス劇場の眺めを遮っているという。これに対してヴァンゲリスは、彼の家を含めた取り壊し対象の一画が新博物館の食堂からの眺めを遮っていることが真の取り壊し理由だと主張し、ギリシャ政府による「建築上のテロリズム」だと非難した。最近では、これらの建物のファサードだけを隣の区画に移して保存するという提案がなされている。
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