延髄ポリオ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 02:32 UTC 版)
麻痺型ポリオの2%を占める延髄ポリオはポリオウイルスが脳幹の延髄において神経を侵し、破壊する事で発生する。延髄領域は大脳皮質を脳幹へと繋げる白質経路である。この部位の神経細胞の破壊は脳神経に支配される筋力を低下させ、脳炎症状を引き起こし、呼吸困難、発話障害、嚥下障害を招く。この型のポリオによって影響を受ける神経で重要なのは舌咽神経(嚥下と喉の機能、舌の運動、味覚を部分的に支配)、迷走神経(心臓、小腸、肺へ信号を送る)、および副神経(上頸部の運動を支配)である。嚥下機能に対して与える影響により、粘膜分泌物の気道流入が増加、窒息を招く。他の徴候、症状として顔面麻痺(頬、涙管、歯肉、および顔面と上記の構造の周囲の筋を支配する、三叉神経と顔面神経の破壊によって生じる)、複視、咀嚼困難、呼吸数、呼吸深度、呼吸リズムの異常(呼吸停止に進行しうる)がある。肺水腫とショックも生じる事があり、死に至る事がある。
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