廃置分合等による「降格」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 09:46 UTC 版)
市または町を廃し、同時に町または村を新設すれば、市または町から町または村に「降格」したように見える。しかしこの場合、たとえ(「市」「町」「村」部分を除いた)名前が同じでも、旧市・町と新町・村は別個の地方公共団体であり、法人格は連続していない。実際には他の廃置分合や境界変更を伴う場合にこのようなケースがあり、たとえば以下の例が挙げられる。 神奈川県渋谷町→渋谷村(現・大和市) 町域の一部が他市に編入され、残った町域で町が廃され同時に村が新設された。 長野県宮田町→駒ヶ根市→宮田村 他の自治体と合併して市となった後、再度分離独立して村が新設された。 「降格」が回避されたケースとしては、加美町がある。平成の大合併の際、宮城県加美郡では中新田町、小野田町、宮崎町、色麻町の4町が合併して加美市を作る構想があった。しかし、途中で色麻町が合併協議を離脱したため、合計人口が3万人を割り込んで市制の条件を満たさなくなり、さらに中心部の建物の密度が県条例で定める町の要件に満たなかったので、合併によって逆に村に「降格」するのではと取り沙汰された。市町村間に「格」の違いや上下関係は存在しないが、たとえば西日本新聞社のニュースでも「降格」「昇格」という用語が用いられたり、「残念」「みっともない話」とする市民の声が取り上げられていた。県条例を改正した結果、最終的に加美町として新設合併することとなった。
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