座席供給過多
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 16:47 UTC 版)
1970年代に入り世界各国の大手航空会社が、これまでの国際線や国内幹線における主流機材であったボーイング707型機やダグラスDC-8型機、コンベア880型機などの倍から3倍程度(100-200席に対して300-450席)の座席数を持つワイドボディの大型機を相次いで就航させた。導入された機材には、パンアメリカン航空のトリップ会長の肝いりで開発され、その後パンアメリカン航空や日本航空、KLMオランダ航空やユナイテッド航空などが競って導入したボーイング747型機や、マクドネル・ダグラス DC-10型機、ロッキードL1011・トライスター型機などがある。大型機の就航が一段落した1970年代半ばには多くの大手航空会社において座席数の供給過多が深刻化した上に、矢継ぎ早の大型機の導入による設備投資が経営を圧迫した。 1973年10月に中東において発生した第四次中東戦争や、これを受けて同月に起きたオイルショック、1978年末のイラン革命を受けて起こった第二次オイルショックを受けて世界的な長期不況に陥り旅客数が減少し、収益が悪化した。 その結果、多くの大手航空会社は空席を埋めるために、これまで自らの身を守り続けてきた「IATAカルテル」の範囲を大きく離脱しない範囲で、自主的に割引運賃を導入せざるを得なくなった。
※この「座席供給過多」の解説は、「格安航空会社」の解説の一部です。
「座席供給過多」を含む「格安航空会社」の記事については、「格安航空会社」の概要を参照ください。
- 座席供給過多のページへのリンク