年齢主義か課程主義か
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 00:00 UTC 版)
義務教育の対象者を決める時の基準に何を用いるかによって分類される。特定年齢の間、義務教育の対象にするという方式を年齢主義と呼び、特定の発達段階に達してから特定の課程を修了するまでを義務教育の対象にするという方式を課程主義と呼ぶ。これは学校で進級をする時の基準についての年齢主義と課程主義とは別個の概念である。 始期を年齢主義、終期を課程主義とするなどの両方の基準を用いる方式や、終期について年齢主義と課程主義を併用するなどの方式も存在しうる。歴史上は課程主義の義務教育制度もあったが、現代ではほとんどの国家で始期・終期について年齢主義の義務教育制度を採用している。 この分類について、教育制度の教科書などのレベルの書物においても、学校における年齢主義・課程主義と混同している例が見られる。 例えば「年齢主義の義務教育制度では、進級試験によらず年齢に伴って進級し、一定年齢に達したら就学義務は終了する」などと、義務教育の終期が一定年齢で あれば進級も当然年齢基準であるかのような解説が蔓延している。勿論、義務教育の開始・終了の時期と、学校における進級基準には合理的な関係はない。例えば、フランスにおいては義務教育の終期は16歳と年齢によって規定されているが、小学校から飛び級・原級留置がポピュラーである。実際に16歳の時点では小学生も大学生もいる。このように、義務教育が年齢主義であっても、学校で厳しい修得主義に基づく課程主義進級制度を実施することには何の問題もないのである。 また、課程主義は「一定の授業を受けるまで」などとする履修主義と、「読み書きができるようになるまで」などとする修得主義に分けられる。
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