年輪の観察
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/08 15:58 UTC 版)
樹齢は樹木の中心から一番外側までの年輪数に相当する。切り株のように木口面(年輪面)が出ていれば比較的簡単に樹齢は求められる。立木の場合は生長錐という器具を打ち込んで年輪を採取する。 広く知られている俗説に、「北半球では南側から日が当たる為、暖かい南側は発育が盛んで年輪の目が広く、北側は目が詰まっているので、切り株があれば大体の方位がわかる」という説があるが、これは誤りである。実際は、たとえば針葉樹が斜面に生えている場合に、木が谷側に傾かないように谷側がより盛んに成長する為、谷側の目が広く山側の目が詰まって育つので方角はあまり関係しない。この時に谷側に形成される材を圧縮あて材と呼ぶ。また広葉樹では針葉樹とは逆に山側に引っ張りあて材が形成される。このように材の成長には様々な要因が関係し、方角だけで決まるものではない。また、年輪を確認するためには切り口が滑らかである必要があるが、自然な原因で木が倒れる場合、根本からひっくり返るか、へし折れるようになる場合が多く、滑らかな面は作られないため、自然の森では年輪の見られる切り株は滅多にない。昔、宮大工が寺や神社の柱を建てる際に生えていた木と同じ方向に合わせたことから「木には方角がある」という漠然としたことから広まったとされている。
※この「年輪の観察」の解説は、「年輪」の解説の一部です。
「年輪の観察」を含む「年輪」の記事については、「年輪」の概要を参照ください。
- 年輪の観察のページへのリンク