年輪の形成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/08 15:58 UTC 版)
樹木は樹皮直下の形成層で細胞を作って成長する。それが輪状に見えるのは、春期には幹の肥大成長が盛んで、夏期にはゆっくりになるためであり、色の濃い部分は細胞壁が密に、色の薄い部分は細胞壁が疎になっている。細胞密度の違いが色の濃淡となって現れ年輪となる。熱帯雨林のように気温や降水量の年較差が少ない地域の樹木には年輪がないことがあるが、乾季と雨季があれば乾季には成長が休止するために成長輪が形成される。 年輪を数えることで、その木の樹齢を知ることができる。ただし、環境に対する応答は樹種によって異なるため年輪の明瞭さや幅には違いがある。また、天候不順などによってできる場合もあり偽年輪という。そのほか年輪には大規模な旱魃や山火事、虫害などの痕跡が残されていることがある。この痕跡と様々な記録を比較することにより、その木の過去の生育環境を調査することができる。
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