平面ひずみ破壊靱性試験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/04 00:14 UTC 版)
その材料が小規模降伏条件と平面ひずみ条件を満たすときの破壊靭性値を求める試験としては、ASTM規格 E399 による試験が広く用いられている。モードIの応力拡大係数で破壊靱性を評価するもので、KIC試験とも呼ばれる。 ASTM E399 では、三点曲げ試験片とCT試験片の2種類が規定されている。どちらもスリット状の切欠きを備え、さらにその切欠き先端から疲労き裂をある長さまで予め発生させた試験が用いられる。平面ひずみ破壊靱性値を適切に得るために、疲労き裂導入時の応力履歴、負荷速度、不安定き裂進展開始荷重の仮定など、多くの制約が存在する。また、これらの制約条件を試験後に検証する必要があり、得られた結果が全て有効な値とはならない点が他の材料試験とは異なる。 き裂長さを a、リガメント長さを b とすると、得られた破壊靱性 KIC が条件式 a , b ≥ 2.5 ( K I c σ Y ) 2 {\displaystyle a,b\geq 2.5\left({\frac {K_{Ic}}{\sigma _{Y}}}\right)^{2}} を満たす場合に小規模降伏条件を満たしていると判断できる。ここで、σYは材料の降伏応力である。平面ひずみ状態については、試験厚さをBとすると、上式と同型の条件式 B ≥ 2.5 ( K I c σ Y ) 2 {\displaystyle B\geq 2.5\left({\frac {K_{Ic}}{\sigma _{Y}}}\right)^{2}} を満たす場合に平面ひずみ条件を満たしていると判断できる。
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