平面と直線の可視化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 22:24 UTC 版)
3次元空間の原点を通るすべての直線の集合は実射影平面(英語版)と呼ばれる空間をなす。この空間は、3次元空間に埋め込む事が出来ないので、可視化するのが難しい。 しかし以下のようにして、それを円板として「ほぼ」可視化することが出来る。原点を通るすべての直線は、南半球 z ≤ 0 と交わる。その点は立体射影により円板上の点に射影することができる。水平な直線は、赤道上にある2点で南半球に交わる。そのどちらの点も、この円板に投影することができる。これに関しては、円板の境界上の対蹠点は、同一の直線を表すとして理解する(商位相空間を参照)。よって、原点を通る直線の任意の集合が、円板内の点の集合として、ほぼ完全に投影される。 また、原点を通る各々の平面は単位球面と大円(これを平面のtraceと呼ぶ)で交わる。この円は立体射影により、円に投影される。よって、この投影は、円板中の円弧として、平面を可視化することが出来る。コンピューターが普及する前には、大円のステレオ投影をするには、ビームコンパスを使って書く必要があるほど大きな半径の弧を書くことがあった。現在はコンピューターにより簡単にそれらを描くことができる。 さらに、任意の平面は、原点を通りその平面に垂直な直線を唯一つ持つ。その直線を平面の極線と呼ぶ。その直線は、その他の原点を通る直線と同様に円板の上に点を打つことができる。よって、立体射影は任意の平面も円板内の点として可視化することができる。たくさんの平面をプロットするには、平面の極線をプロットしていく方が、平面の軌跡をプロットしていくより、整然とした図を作ることができる。 この様な作業は、後で述べるように、結晶学や地学で方向のデータを可視化するのに使われる。
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