平面上の有向線分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 00:46 UTC 版)
ベクトル空間の簡単な例は、一つの平面上の固定した点を始点とする矢印(有向線分)全ての成す集合で与えられる。これは物理学で力や速度などを記述するのにもつかわれる。そのような有向線分 v と w が与えられたとき、その二つの有向線分が張る平行四辺形にはその対角線にもう一つ、原点を始点とする有向線分が含まれる。この新しい有向線分を、二つの有向線分の和 v + w と呼ぶ。もう一つの演算は有向線分を伸び縮み(スケーリング)させるもので、任意の正の実数 a が与えられたとき、v と向きは同じで長さだけを a の分だけ拡大 (英: dilate) または縮小 (英: shrink) した有向線分を、v の a -倍 av と言う。a が負のときは av を今度は逆方向に伸び縮みさせることで同様に定める。 いくつか実際に図示すれば、例えば a = 2 のとき、得られるベクトル aw は w と同方向で長さが w の二倍のベクトル (下図、右の赤) であり、この 2w は和 w + w とも等しい。さらに (−1)v = −v は v と同じ長さで向きだけが v と逆になる (下図、右の青)。
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