平等保護条項
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/08 12:32 UTC 版)
ブッシュは、フロリダ州における票の数え直しは、各郡の委員会が、ある投票が適法なものであるか否かを判断するために用いることのできる州全体の基準がない点で憲法修正第14条の平等保護条項に違反すると主張した。各郡が、手作業で各投票用紙を数え直すための独自の基準を用いており、ブッシュは、ある郡の基準が他の郡の基準より緩やかなものになるということが起こると主張した。したがって、2人の投票者が、同じように投票用紙にマークしたかもしれないのに、手作業による数え直しに用いられる基準が異なるために、ある郡で投票した1人の投票用紙は数えられる一方で、違う郡で投票したもう1人の投票用紙は認められないということが起こり得るとした。 ゴアは、州全体の基準は実際に存在する、すなわち「投票者の意思」という基準があるとして、この基準は平等保護条項の下で十分なものであると主張した。さらに、ゴアは、異なる投票者に対し異なった取扱いをすることになるとの理由だけでフロリダ州の数え直しを違憲と判断するとすれば、その帰結として、「すべての」州の選挙が違憲であると事実上宣言することになってしまうと主張した。そして、どの方法をとるかによって、票を数えるに当たって生じる誤差の率も異なるとした。「パンチカード」方式の郡の投票者は、「光学的スキャナー」方式の郡よりも票を少なく数えられる可能性が高い。仮にブッシュの主張が通るのであれば、憲法に適合するためには、すべての州が、票の記録について州全体の方法を持っていなければならないことになると、ゴアは主張した。
※この「平等保護条項」の解説は、「ブッシュ対ゴア事件」の解説の一部です。
「平等保護条項」を含む「ブッシュ対ゴア事件」の記事については、「ブッシュ対ゴア事件」の概要を参照ください。
平等保護条項
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/08 12:32 UTC 版)
連邦最高裁は、7対2で、フロリダ最高裁の、州全体の数え直しを求める判断は合衆国憲法修正第14条の平等保護条項に違反すると判断した。連邦最高裁は、平等保護条項は、個人に対し、その投票の価値が、事後的に、恣意的で異なる取扱いによって減じられてはならないことを保障しているとした。仮に数え直しが理論的には公正であっても、実際上は不公平である。記録によれば、投票用紙ごと、投票区ごと、郡ごとに、数え直しに異なる基準が適用されていることが窺われる。 7対2の匿名意見 (per curiam opinion) によれば、州全体の基準(「適法な投票」は「投票者の意思が明確に表されているもの」であるというもの)では、各郡が憲法に適合した方法で票を数えることが保証されていない。匿名意見は、「我々の検討は本件の事実関係に限定される。なぜなら選挙の過程における平等保護の問題は、一般的に多くの複雑な問題を含んでいるからである。」とした。
※この「平等保護条項」の解説は、「ブッシュ対ゴア事件」の解説の一部です。
「平等保護条項」を含む「ブッシュ対ゴア事件」の記事については、「ブッシュ対ゴア事件」の概要を参照ください。
- 平等保護条項のページへのリンク