干潟と経済
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 16:36 UTC 版)
自然保護区域に指定されていない干潟が経済的に利用される場合、干潮時に歩いて行き来することが可能であるため、貝類の採取などの漁業用地として利用される場合が多い。また海岸干潟の沖合いは水深が浅く干満差が大きいことが多く、海苔の養殖に適しているため主産業となっているところがある。 粒径の小さな泥質干潟はリン酸の含有率が高く、塩分を取り除いて肥料として用いられる場合もある。有明海沿岸の筑紫平野では、大きな干満差により河川中流に泥質干潟が発達しており、塩分濃度が非常に低いため、水路と溜め池の役割を持つ「クリーク」から定期的に泥を引き上げる「ごみくい」と呼ばれる作業によって肥料を得て、水田などの肥料として用いていたが、現在は行われていない。 また大規模な干潟は、より生産性の高い耕地に転用するため干拓を行う場合がある。有明海沿岸では中世以降干拓が進められ、自然陸化を含めて300km2以上が陸地となって田畑になっている。20世紀に入って以降は県営・国営で大規模に計画が進められ、国営諫早湾干拓はその最後の事業であった。
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